設計コンペ実例集(間取り・プラン提案事例)
Story
幹線道路にほど近い住宅街の一角に建つS様邸。住み慣れた浜通りから郡山へ避難したS様ご家族は、〝明るく暖かい家〟をご要望されました。設計コンペの当初の要望は、道路面に駐車スペース、寝室は東側でしたが、それでは寝室が暗くなってしまうのと、採光や生活動線にも考慮し、また高低差のある立地にあったプランを提案してくれた会社を選びました。
おしゃれな引き戸のドアを開けた玄関を入ると、まず目につくのは以前の自宅でも愛用していた大きな柱時計と陶芸家であるS様の作品。ゆったりとしたギャラリーのような空間に、優しく時を刻む音が響き、温かく出迎えてくれます。また、玄関脇に設けられた郵便受けにも工夫が。郵便受けに届いたものを外に出ず取り出せるようにしたいとの要望から、リビングに郵便受け場を設置。扉を閉めておくと全く分からないので「お客さんはとても驚くんだ」とS様。さらにテレビ横に設けた仏壇スペースも造り付けの様に無駄な隙間が一切ない仕上がりで「これもみんな羨ましがるんだよ」とS様。お気に入りの一つだそう。採光を考えたリビングには、吹き抜けを採用。天井板を桜色にすることで、さらに明るい空間を実現しました。東側に設けたガレージからは、キッチン、パントリー、浴室へとつながる勝手口を設置。重い荷物でもパントリーにすぐ運ぶことができ、また水まわりをまとめたことで生活動線もスムーズ。第2の玄関として重宝されています。
陶芸家のS様は朝がとても早く、奥様との睡眠時間がバラバラ。寝室を2部屋設けても良かったのですが、少しでも空間を広く使用したいのと、お互いの気配を感じられるよう、一つの空間を遮光カーテンを利用して間仕切ることにしました。ご主人の寝室側からつながる和室の障子やクロスは奥様のチョイス。和モダンな雰囲気で、癒しのスペースとなりました。床は全て無垢材を使用し、質感や健康にもこだわったS様邸。1階は丈夫で長持ちするナラ材。はっきりとした木目に木の温もり感じます。2階はサクラ材。優しい色合いと木目が和みを演出。
「新しい地ということで、気もそぞろな時もありましたが、温もりを感じる新居に昔からの友人が集まり、楽しく今を過ごせている。」と話すS様ご夫妻。今日もご家族の笑顔が溢れています。
ふくしまの住まいづくり Vol.5 掲載