私たちは普段の生活の中で、知らず識らずのうちに五感を使って生きています。しかし日頃、鳥のさえずりに耳を澄ませたり、木の実の匂いを嗅いだり、道端に咲く小さな花に目を遣ることは、少ないのではないでしょうか。

先日、ある仕事で奥日光・中禅寺湖に行ってきました。周辺は一定のバリアフリー化が進んでおり、車いすユーザーの僕が行けるところも多かったように思います。 今回は、ネイチャーガイドと言われる、現地のありとあらゆる自然を知り尽くした方に、案内して頂きました。僕自身、中禅寺湖を訪れるのは、高校生以来。 その日は快晴で、日差しとそよ風が心地よく、目の前には言葉では表せないほどの感動の景色が広がっていました。
道端で足を止め、ガイドさんに「目を閉じて、耳を澄ませてください。何が聞こえますか。」と言われました。僕が一番最初に音を認識したのが、車の通る音。・・・ガイドさんも困っていました(笑) もう一度、目を閉じ耳を澄ますと、聞こえてきたのは、湖の波の音、鳥のさえずり、時折水面に姿を見せる魚の音、そして、カエルの鳴き声のような生き物の音。この、僕がカエルの鳴き声と聞き間違ったのは、実はハルゼミという4月下旬~6月中旬にかけて鳴くセミでした。 普段の生活の中で聞こえていたとしても、存在を知らなければ聞き流してしまう音だと思います。しかし、自然の中で、五感をフルに使うことで、何種類もの自然の音が聞こえるものなのです。 また、秋だけなく春に紅葉する葉があったり、同じ松のように見えるものでも、柔らかいブラシのような感触のものもあったり、そして見た目が同じ木の実でも匂いが違うものがあったり、いろんな発見がたくさんありました。
この季節には、(視覚)新緑芽吹く風景を眺め、(聴覚)生き物の音に耳を傾け、(嗅覚)花の香りを楽しみ、(触覚)植物や木の実に触れ、(味覚)澄んだ空気を味わうことをお勧めします。もちろん味覚には、その地の美味しい料理も忘れてはいけませんね。 幼い頃に来た県内観光地も、大人になって改めて訪れてみると、今までに感じ得なかった魅力を発見することができます。県内にこんなにも素晴らしいところがあることを、もっと多くの方に知って欲しいとも思いました。

日々、仕事や家事などの時間に追われ、周りが見えなくなりがちですが、こうした自然を楽しめる環境に足を運ぶことで、リフレッシュでき、英気を養うことができるのではないでしょうか。 時間をつくり自然を五感で楽しんでみることをお勧めします。